風と鈴の町 - 花影
目を閉じれば聞こえてくる
静寂
時計の針が勝手に進む
月を眺め今わかってきた
影独り
僕だけ残される
嗚呼観客のいない
嗚呼空き殻のモノローグ
夜が長い長い長い長いこと
僕だけ僕だけが知るのかな
山鳥のように互いを想おう
想わないか
一人にしないしないしないしないでよ
一人じゃ辛い辛い辛い辛いんだろ
山鳥のように離れて今夜
心ならず眠れない
目を開ければ見えてくる
孤独
外の雨が勝手に降り注ぐ
花を見遣り感じてきた
影一株
眩い月の光
嗚呼ひび割れている
嗚呼この玻璃の心臓
花が愛しい愛しい愛しいこと
私だけ私だけが知るのかな
寂しさも憂いも分かち合おう
訳も無く泣き出す
「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の
ながながし夜をひとりかも寝む」
(百人一首・第三番)
「もろともにあはれと思へ山桜
花よりほかに知る人もなし」
(百人一首・第六十六番)
一人がいやいやいやいやいやだよ
二人でいたいいたいいたいいたいんだよ
細やかな祈りさえ叶わないのか
どうしてどうして
月が綺麗なら綺麗なほど
心が痛い痛い痛い痛いのよ
夜明けが来る前に悲しみを受け止めて
今夜また眠れなくても
いつか雨は上がるから